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貸付停止とは
1 貸付停止の主張とは
過払金の請求に対する貸金業者側の主張として、貸付停止の主張というものがあります。
貸付停止とは、貸金業者がその借主に対して新たな貸し付けを止めたことを指します。
最高裁の判例では、「新たな借入金債務の発生が見込まれなくなった時点、すなわち、基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引が終了した時点で過払い金が存在していればその返還請求権を行使することとし…」と判示されていることから、貸金業者としては、貸付停止によって新たな借入金債務の発生が見込まれなくなったとして、貸付停止時から消滅時効が進行すると主張してくることになるのです。
たとえば、平成21年5月に貸付停止の措置がとられている場合、貸金業者の主張によれば、その時点で発生している過払い金については10年後の平成31年5月で時効ということになるのです。
2 貸付停止の主張は認められるのか
貸付停止措置をとったといっても、停止事由が解消すれば原則としてその措置は解除されるため、「新たな借入金債務の発生が見込まれなくなった」とはいえません。
貸金業者の側で、その貸付停止が解除の可能性のない措置であったことを具体的に立証する必要があります。
また、一方的にそのような措置をとったというだけでは足りません。
借主が、今後も貸付停止が解除されて、新たな借入金債務の発生する可能性があるという認識を抱いたままでは、現実的に過払金返還請求権を行使することを期待することはできないので、借主が将来の借入金債務の発生の可能性がないことを明確に認識しうるような客観的な事情の存在がない限り、貸付停止による消滅時効の進行は認められないはずです。
3 弁護士に相談
一般的には上記のとおり、貸付停止の措置がとられていたとしても、再度貸付けを開始する可能性があったのであれば、貸付停止の主張が認められることはほぼないといえます。
ただ、貸金業者によって貸付の再開可能性には違いが出てくるので、この点をどれだけ強く争ってくるかは変わってきます。
まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。