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過払い金は満額返還されるのか
1 過払い金はどう計算するのか
過払い金の計算は、借入先の会社からこれまでの取引の履歴を取り寄せて、利率を法定利率に引き直すことによって求められます。
また、借金を返済するときに利息を支払うのと同様に、貸金業者に対して過払い金が発生してから現在までの利息を支払うように請求することができます。
2 計算通りに返還されるのか
このように、過払い金の金額は1円単位ではっきりと算出することができます。
しかし、その金額を貸金業者に請求したとしても、すんなりとそれを払ってくれるということはほぼありません。
時効の主張をしてくる場合など、そもそも過払い金の発生自体について争う場合はもちろんですが、そういった争いがない場合でも請求額よりもかなり低額での和解を提案してきます。
そして、金額の部分に加えて、返済時期は数か月以上、場合によっては半年以上先を指定してきます。
3 相手の提案に対してとりうる手段
できる限り早期に解決したいということであれば、貸金業者側の提案を受け入れるのが1つの選択肢になります。
もし返済時期を早めてほしいということであれば、そのように再提案することもできるでしょう。
ただしこの場合、返済時期を早める分返済額を減らしてほしいと要請される可能性があります。
できる限り請求額に近づけていきたいという場合は、引き続き交渉をするという選択もあります。
しかし基本的には、交渉を続けるよりも裁判手続に移行したほうが有利です。
業者にもよりますが、裁判手続に入ると、貸金業者側も判決になるのを避けるため、請求額に近い金額の和解を提案してくれることも珍しくないからです。
4 和解と判決のどちらが有利なのか
ここまでお読みいただくと、結局和解せずに判決の方が有利なのでは、と思われる方もいらっしゃるかと思います。
現実的な話をすると、裁判所が判決を出すまでには、訴えの提起から相応の時間がかかりますし、その間には裁判期日も幾度となく開かれます。
すると、弁護士費用を含む裁判費用も徐々に増えていくことになります。
その結果、和解をした場合の金額を上回る返済を受けられたとしても、そこに至るまでの費用がそれ以上にかかってしまうということもあります。
ですので、判決と和解のどちらが有利なのかという問題は、一概には答えの出ない問題です
過払い金の返還請求について、弁護士に相談・依頼している場合、任意の交渉で解決すべきか裁判に進むべきか、裁判の中で和解すべきか判決まで進むべきかについてアドバイスを受けることができます。